アメリカの文化 その4  「Groundhog Day」

世界の各地にはいろいろな占いや伝承行事があります。豊作や大漁を占う行事が我が国にもあります。「占いなんて非科学的だ」といって否定するのはユーモアのセンスが足りないような気がします。時に占いをして笑うのもいいのではないでしょうか。

アメリカでは2月2日はキャンドルマス(candlemas 聖燭節)といって聖母マリアを清める日とされます。この日は、春の訪れを予想する天気占いの行事にグラウンドホッグデー(Groundhog Day)ともいわれています。冬眠から目覚めたマーモットの一種であるグラウンドホッグ(groundhog) が自分の影を見れば冬はまだ長引くと占われるのです。グラウンドホッグは、リス科マーモット属に分類されています。グラウンドホッグデーの風習は、ドイツやオーストリアで2月2日に行われ、アナグマがこの日に出て陽を浴びると4週間冬が長引くという天気占いが行われました。時に、動物はクマやキツネであったようです。本来はクマなのですが、数の減少とともに他の冬眠動物に代用されたとされます。

19世紀になると、グラウンドホッグデーはアメリカのドイツ系移民の間で始まったといわれます。ドイツではこの動物をグラウンドホッグに代用し、4週間を6週間としたのがドイツ系アメリカ人版というわけです。ペンシルベニア・ダッチ(Pennsylvania Dutch)と呼ばれるドイツ系移民は、グラウンドホッグのことを、母国語で「アナグマ」という意味の「ダックスdachs)」と呼んでいたようです。