1978年8月に語学研修で過ごしたジョージア州(Georgia)からウィスコンシン(Wisconsin)のマディソン(Madison)まで、僅かの家財をU-Haulに積んで家族と移動しました。車はジョージアにいたとき、ルーテル教会の牧師から譲り受けたシボレーはマリブ(Chevrolet Malibu)という連結器のついた六気筒のセダンでした。車体の屋根は押してもびくともしません。「タンク」という愛称で呼ばれていました。この牧師はかつて宣教師として足立区での勤労青少年の伝道にあたっておられました。梅島、西新井、竹の塚、草加あたりが伝道の中心でした。
マディソンへの途中、テネシー州南東部にあるチャタヌガ(Chattanooga)という街を通りました。なぜか「チャタヌガ・チュー・チュー」(Chattanooga Choo Choo)というグレン・ミラー(Glenn Miller)の楽曲を思い出しました。”Choo Choo Train”とは、「汽車ぽっぽ」という意味です。その後ニール・セダカ(Neil Sedaka)も「恋の片道切符」(One Way Ticket)という曲で”Choo Choo Train”を歌っていました。この曲も流行りました。
インディアナ州(Indiana)の小さな街で車の調子が悪くなりました。トレーラーを引っ張るとエンジンに無理がかかります。とくにトランスミッションはそうです。修理屋にきくと部品は明日にしか来ないというのです。仕方なく修理屋に許可を得て工場の隣で野宿することにしました。
修理屋はガソリンスタンドを経営しています。幸い水をもらったり手洗いを使うことができました。夏の盛りでしたので、クーラーボックスからハムと野菜やチーズでサンドイッチを作って一夜を過ごしました。夜パトカーがやってきました。事情を話しましたが不安な一夜を過ごしました。2泊3日の初めての大陸横断のような旅でした。