ユタ州(Utah)の西半分はグレイトベースン(Great Bason)という大盆地が広がり、北西部は塩砂漠湖(Great Salt Lake)があります。州名はユテインディアン(Ute Tribe)にちなんでいます。州都で最大の都市はソールトレイク・シテイ(Salt Lake City)となっています。州の中央部にワサッチ山脈(Wasatch Range)が南北に延びています。
1847年モルモン教徒が東部での迫害を逃れてユタにやってきました。その教会名は、末日聖徒イエス・キリスト教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)と呼ばれます。この教会の創始者はジョセフ・スミス(Joseph Smith)ですが、イリノイ州で近隣の人々との争いが続き、迫害を受けて殺されます。スミスを引き継いだ指導者がブリガム・ヤング(Brigham Young)です。モルモン教徒はソールトレイク・シテイの近くで、開拓のためにワサッチ山脈からの融雪水を使い、灌漑によって穀物栽培などを始めます。
ヤングの功績はモルモン教会の総本山、テンプル スクエア(Temple Square)礼拝堂を建設したことです。聖歌隊を組織し「モルモン・タバナクル合唱団」(Tabernacle Choir)となります。Tabernacle」とは幕屋とか礼拝堂という意味です。この聖歌隊は世界で最古で最大の聖歌隊の一つです。360名のボランティアの教会員で構成されています。礼拝堂の中には, 聖歌隊の伴奏をする11,623本のパイプを備えたタバナクルオルガン(Tabernacle Organ)があります。
モルモン教徒が迫害を受けた理由は、教会員の中で複婚すなわち一夫多妻制を実行していたことです。1890年にモルモン教会は綱領によって複婚は禁止します。現在のユタ州の人口対するモルモン教徒の構成比は約61%となっています。妊娠中絶や同性愛に反対します。このことから分かるように、ユタ州は圧倒的に共和党の強い州です。テキサス、アイダホに並ぶ保守共和党の牙城であるとされています。
ユタの州鳥はカリフォルニアカモメ(California Gull)です。カナダ中部からアメリカ西部の内陸部で繁殖し、冬期はアメリカ西海岸で越冬します。体長約50cm。羽色はセグロカモメと似ていますが、足が黄色または緑黄色であること、頭部が小さく胴体が長めであることで区別できるといわれます。