アメリカの州鳥 その48 メリーランド州の鳥: バルチモアムクドリモドキ

メリーランド州は、北はペンシルヴァニア州(Pennsylvania)、西はウェストヴァジニア州(West Virginia)、東はデラウェア州(Delaware)に接し、大西洋に面しています。南はポトマック川(Potomac River)を隔ててウェストヴァジニア州とヴァジニア州(Virginia)と接しています。西はアパラチア山脈(Appalachian Mountains)、及びペードモント台地(Piedmont)が広がります。州の大半はアメリカメガロポリス(American Megalopoiis)に属し、ニューヨーク、ワシントンDC間の交通幹線軸が通っています。

メリーランド州(Maryland)州の州都はアナポリス(Annapolis)で、最大都市はバルティモア(Baltimore)です。アナポリスには合衆国の海軍大学があります。州名ですが、イギリス植民地時代に彼女の栄誉を称えて、イギリス国王チャールズ一世の王妃ヘンリエッタ・マリア(Henrietta Maria)からメリーランドとなります。

Baltimore Oriole

アメリカ国歌の誕生の地がフォート・マクヘンリー(Fort McHenry)です。星形の要塞で、米英戦争中の1814年9月に、チェサピーク湾(Chesapeake Bay)に侵入したイギリス海軍の艦隊がバルティモア港を攻撃してきたときに防衛に成功したことで知られています。メリーランドは、独立戦争ではイギリスの支配に反旗を翻した13植民地の一つです。

バルティモアには、世界最大の証券会社であるメリルリンチ(Merrill Lynch)をはじめ保健、不動産、不動産金融会社があります。食品加工、電気・電子機器、金属産業が盛んなところです。複雑な海岸線の出入りが多いチェサピーク湾をはさんで、海岸平野が広がります。

メリーランド州はワシントンD.Cの連邦政府に近いという位置づけを生かし、防衛・航空産業やバイオ研究所などがあります。さらに多くの教育や医療の研究機関があり、例えば世界屈指の医学部を有するアメリカ最難関大学の一つであるジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)やペンシルヴァニア州立大学(Pennsylvania State University)、ペンシルヴァニア大学(University of Pennsylvania)、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)、世界最大の研究施設である国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)とその医療研究施設があります。

州の鳥はバルチモアムクドリモドキ(Baltimore Oriole)です。オスは翼と頭部は黒色で、肩の一部と腹部は金色がかったオレンジ色をしており、色鮮やかで美しい姿です。他方、メスはオスに比べると地味で、部分的にオレンジ色をしているものの、全体的に茶色がかった薄緑色の羽をしています。バルチモアムクドリモドキは渡り鳥で、夏期のみメリーランド州を含むアメリカ東部に生息します。