アメリカの州鳥 その30 ニューハンプシャーの州鳥: ムラサキマシコ

ニューハンプシャー州(New Hampshier)の紹介です。南は(Massachusetts)、西はバーモント州(Vermont)、東はメイン州(Maine)と大西洋に接し、また北はカナダのケベック州(Quebec)と国境を接しています。ニューハンプシャーの州都はコンコード(Concord)という小さな街です。コロニアルスタイルといわれる町並です。植民地時代の木造家屋のデザインを示します。

Portsmouth

この州で忘れられないところがポーツマス(Portsmouth)という街です。1800年設立のアメリカ初の海軍工廠であるポーツマス海軍造船所があります。日露戦争が終わり、当時の大統領ルーズベルト(Theodore Roosevelt)の仲介で講和条約が軍工廠内で締結されたところ、それがポーツマスです。実に小さな港町です。こんなところでポーツマス条約が結ばれたのか、と頭をかしげたくなるようなのんびりとした所です。

講話会議における日本の代表は外務大臣の小村寿太郎、ロシアは元大蔵大臣のセルゲイ・ウイッテ(Sergei Witte)です。日本は、ロシアのバルチック艦隊(Baltic Fleet)を撃破したとはいえ、すでに戦費が尽きてアメリカに講和の仲介を依頼したのです。ロシアも革命の機運が起こり、講和を望んだようです。ポーツマスの博物館に当時の交渉の様子を報道した写真や新聞記事が飾られています。大男のウイッテが小男の小村を威圧するイラストがあります。当時ロシアはヨーロッパの大国、日本はアジアの小国でした。アメリカは太平洋の利権があって日本に同情的な姿勢であったことを伺わせます。

ニューハンプシャーのナンバープレートには「Live Free or Die」と描かれています。「自由を与えよ、さらば死を」という意味です。ニューハンプシャーは最初にイギリスの統治を離脱し独立への歩みを踏み出した州です。

Purple Finch

州鳥はムラサキマシコ(Purple Finch)です。体長は15センチくらい。名前は紫ですが、オスの顔から胸にかけて濃い赤色の羽があります。腰も赤色です。胸から下は灰白色に薄赤茶色の斑模様があります。翼は茶褐色で縁には白い部分があります。尾も茶褐色で、先が少し分かれていて燕尾状になっています。メスは派手な赤色がなくて全体に地味な色です。常緑樹に巣を作ります。パートナー探しでオスはメスに餌を与えるのです。