アメリカの州鳥 その23 サウスカロライナ州の鳥: チャバラマユミソサザイ

Carolina Wren

サウスカロライナ州(South Carolina)は、北部でノースカロライナ州(North Carolina)、南部と西部でサバンナ川(Savannah River)を境に位置するジョージア州(Georgia)、及び東部で大西洋と接しています。ローカントリー(Lowcountry)と呼ばれる海岸線地帯の土地の肥沃さとチャールストン(Charleston)など良港があることで繁栄します。西のブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)から東の大西洋まで、さまざまな地形が見られます。州都は最大の都市であるコロンビア(Columbia)となっています。一年中温暖な気候が続くことで知られています。

Charleston

1629年にイングランド王チャールズ一世(King Charles I)がカロライナを植民地とします。1729年にはノースカロライナとサウスカロライナが分離します。独立戦争を経て他の州と共に独立し、奴隷制による綿花のプランテーション(Plantation)によって大いに繁栄します。やがて、1860年に奴隷制廃止論者であったリンカーン(Abraham Lincoln)が大統領になるとサウスカロライナは合衆国から離脱し、1861年には脱退した他の南部諸州と共にアメリカ南部連合(Confederate States of America)を結成します。そしてアメリカ南北戦争(Civil War) の発端となったのが、北軍の駐屯するチャールストン港のサムター要塞(Fort Sumter)への南軍の砲撃です。

1865年にシャーマン将軍(William Sherman)率いる北軍の侵攻により、ジョージア州アトランタ(Atlanta)が焼き払われ、南部経済は壊滅して南北戦争の終結が早まります。マーガレット・ミッチェル(Margaret M. Mitchelll)の小説「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)はこの南北戦争が舞台です。サウスカロライナ州は長い植民地時代を残す歴史があります。例えば、チャールストンは「聖なる市」(The Holy City)ともいわれます。高い尖塔を有する教会が街の景観を形成しています。13の植民地の中で、カトリック、プロテスタントを問わずユダヤ教を認めるという信教に対する寛容さを示した都市の一つがチャールストンです。

州の鳥はチャバラマユミソサザイ(Carolina Wren)といいます。順応性の高い鳥で、森林や沼地、農地、木々に囲まれた住宅地などに生息します。体は小さいのですがとても大きな声でさえずり、鳥類の中で最も声の大きい鳥の一種となっています。チャバラマユミソサザイは、通常つがいで暮らしており、年間を通じて縄張りから離れることはありません。この鳥は寒い冬の気候には耐えられないので、サウスカロライナやジョージアの温暖な地域に生息しています。昆虫や幼虫やクモを主食としますが、ベリー類や果実も食べます。