アメリカの州鳥 その5 アイオワ州の鳥:オウゴンヒワ

American Goldfinch

前置きが長くなりました。いよいよ50州の鳥の紹介です。州名はあいうえお順に紹介することにします。最初はアイオワ州(Iowa) の鳥です。アイオワ州はアメリカ大陸、中西部(Midwest)に位置し、「アメリカのハートランド(Heartland–中心地)」と呼ばれています。その州都で人口最大の都市はデモイン(Des Moines)です。「アイオワ」という名前はヨーロッパ人がこの地域を探検した時代に、数多く住んでいたインディアン部族の中のアイオワ族からとられました。

Iowa and corn field

アイオワ州法によって、アメリカ合衆国大統領選挙の前哨戦である大統領候補指名党員選挙(caucus)を全国に先駆けて行うことが定められています。したがって、アイオワ州党員選挙は大統領選挙の初戦として位置付けされ、大統領選挙の際には大きく注目されています。なお、アイオワ州党員選挙にて敗北した候補者が大統領に就任した例は少なく、「アイオワを制する者が大統領選挙を制する」とも言われています。

アイオワ州の北側はミネソタ州(Minnesota)、東側はミシシッピー川(Mississippi River)を挟んでウィスコンシン州(Wisconsin)です。南はミズリー州(Missouri)、西側はネブラスカ州(Nebraska)です。アイオワを探検し開拓を始めたのは1673年にミシシッピ川の探検をしていたケベック出身のフランス人ルイ・ジョリエ(Louis Jolliet)と、彼と行動を共にしたフランス人宣教師ジャック・マーケット(Jacques Marquette)です。アイオワ州は平原が広がり「コーンベルト(corn belt)」と呼ばれてもいます。トウモロコシの生産で全米一なのです。ということは世界一かもしれません。そのような訳で、「世界の食糧の州」とも呼ばれます。

アイオワ州の鳥の代表、オウゴンヒワ(American Goldfinch)は、米国中西部、東海岸のニューイングランド(New England)、カナダでみられるスズメ目アトリ科の鳥で、体長は約14cmです。藪、草原、二次林などに生息します。雑草の種子や芽、昆虫などを食べます。枯草などを集めて椀型の巣を造ります。名前が示すとおり、オウゴンヒワオスはとても鮮やかなレモンイエローで美しい。繁殖期のオスの黄色は輝くような黄金色です。この際だった色がこの鳥の英名・和名の由来です。他方、メスは、羽色が全体に茶色、上面はオリーブ褐色で、頭頂の黒色部分がありません。鳴き声は高くチッチッチッととても心地よく響きます。

オウゴンヒワの巣はオーソドックスな形である浅いカップ型の巣を木の又の部分などに作ります。冬になると大きな群れを作り、群れで生活するようになります。生息地域によっては冬になると渡り鳥のように南の地域へと移動するという特徴があります。