孫教授を大邱教育大学校に訪ねたときです。大邱市は韓国では第四の大きな町です。先生の運転で大邱市内をあちこち回りましたが、大いに驚きました。その運転マナーです。運転が実に荒いのです。クラクションを絶えず鳴らし、多分ハングルで「そこどきなさい」と大声で隣の車に怒鳴るのです。
ナリタ 「孫先生は道徳の先生なのですから、ゆっくりあわてないでいきましょう。クラクションは鳴らさないでください。」
孫先生 「、、運転手のマナーが悪い。」
孫先生は全く聞き入れてくれません。「酷い運転手だ」とブツブツいいながら運転するのです。1990年当時の韓国車のバンパーは、ぎざぎざのついた高質のプラスチックでした。バンプ(bump)とは英語では「揺さぶる、ぶつける」という意味です。バンパー(bumper)はぶつかるもの、ぶつけるものだという感覚です。ですから、駐車のときスペースがないときは、前後の車をやおらバンパーで押しながら駐車するのをよく見かけました。アメリカでも何度も見たことがあります。
「道徳学の専門家だから、、、、、」という規準では理解できない行動です。ですが結構お年の方でしたから、そのような「堂々たる」態度は許される国なのか、、、とも思いました。道徳とはなにかをしばし考えさせてくれた先生です。