旅のエピソード その43  「シカゴ美術館で知人とばったり」

2010年秋に横浜美術館でドガ展(Edgar Degas)が開催されました。ドガで思い出すのは、娘たちとパリのオルセー美術館(Muse’e du Orsay)、ロンドンのテート美術館(Tate Britain)を訪れたとき、そしてシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)に立ち寄ったときです。それまでは絵画の鑑賞にはあまり興味が無かったのですが、だんだん美術館に惹かれるようになりました。ですが私には絵の鑑賞眼などは未だにありません。

シカゴのダウンタウン、ミシガン通り(Michigan Avenue)にシカゴ美術館があります。隣は美しいグランドパーク(Grand Park)があり、その東にミシガン湖(Lake Michigan) が広がります。そこから少し南に下がるとシカゴ・ベアーズ(Chicago Bears)の本拠地ソルジャー・フィールド(Soldier Field)があります。

ネットでこの美術館を訪ねると、印象派作品が充実しているとあります。モネ(Claude Monet) の「睡蓮」連作は大きさも種類も充実しています。ゴーギャン(Eugene Gauguin)、セザンヌ(Paul Cezanne)、ルノワール(Pierre-Auguste Renoir) などの作品が多いようです。シカゴ美術館は全米の3大美術館の一つといわれます。ニューヨークのメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)、そしてボストン美術館(Museum of Fine Arts, Boston)です。アメリカの美術館には、日本から購入した多くの古典作品が所蔵されています。残念ながら明治時代に日本から流失したものです。

ドガは、印象派の画家といわれています。アトリエの中で制作した裸婦像や家族などの作品から、劇場の舞台の踊り子や歌い手、パリの町中の人々、田舎で描いた馬など親しみのある作品で知られています。それぞれの一瞬の動きを切り取っています。日本人に好まれる印象派の特徴である明るく詩情あふれる世界がカンバスに展開しています。

シカゴの郊外で長男の結婚式があり、その帰りにシカゴ美術館を訪ねたくなりました。看板では、毎週木曜日の午後5時以降は入場無料と書いてあります。通常は18ドルですから、なかなかのサービスではあります。ドガ展を観てからショップでドガのポスターを3枚購入しました。よく知られる踊り子や女性像などのものでした。ふと目を上げると、かって飯田橋のルーテル教会で一緒に活動した家族が居るではありませんか。お互いにぽかんとしてしばし見つめ合い、そして「ヤア、ヤア、、」です。そして、「ポール、こんなところで会うなんて、、、」、「シーボ、元気か、、」とお互いの名前がすぐ浮かんできました。