スポーツ参加と大学進学

Last Updated on 2025年3月13日 by 成田滋

ケンタッキー州高校体育協会(Kentucky High School Athletic Association)などの一部の州体育協会は、ホームスクール(HS)の生徒にインタースクールの競技への参加を完全に禁止しています。HS生徒が州連盟加盟校で競技することを禁止するとともに、加盟校がHS生徒で構成された独立チームと競技することも禁止しています。そのような州では、HS生徒は他のHS生徒同士で競技するか、州の学校対抗体育連盟に加盟していない学校とのみ競技できます。

 他の州では、HS生が居住地を理由に通常通う公立校で競技することを許可しています。例えば、元NFLクォーターバックで、現在スポーツ放送ESPNの解説者であるティム・ティーボウ(Tim Tebow)がいます。フロリダ州法の下では、公立学校は通学区域に住むHS生も課外活動に妨げられることなく参加できるように定めており、ティーボウは高校のフットボールをプレーすることができました。ティーボウの成功は、テキサス州を含む他の州で同様の法律が導入されるきっかけとなったといわれます。

 さらに他の州の学校対抗体育協会は、HS生がチームを編成して他の学校と競技するすることを許可しています。テキサス州の私立学校を統括するいくつかの団体の中で最大の団体であるテキサス私立・教区学校協会は、このオプションを採用しています。ミシガン州高校運動協会も同様ですが、このような競技はレギュラーシーズンの試合中にのみ許可しています。

ホームスクールと大学進学

 多くのHS生は、高校在学中に大学の一部の授業を受けたり、大学レベル試験プログラム(College Level Examination Program:CLEP)や DANTES科目標準テスト(DANTES Subject Standard Tests:DSST)などの標準テストを受け、大学レベルで高等教育を受けようとします。大学入試委員会(College Board)は、HS生に詳細な記録とポートフォリオを保管して入学手続きに役立てるように推奨しています。

 過去数10年にわたり、アメリカの大学はHSの学生を受け入れることにますます積極的になっています。大学の75%がHSの入学に関する公式方針を定めており、95% がHS生からの入学願書を受け取っています。入学に必要な書類はさまざまですが、ACT/SAT のスコア、エッセイ、高校の成績証明書、推薦状、個人面接、ポートフォリオ、GED などが含まれる場合があります。入学審査官の78%は、HSの学生が大学で通常の高校卒業生と同等かそれ以上の成績を収めることを期待しています。HS出身の学生は、他の同年代の学生よりも高い割合で大学を卒業しており(66.7%対57.5%)、学業面でより高い平均点をとっています。

 このようなHS学生は、米陸軍士官学校、ライス大学、ウィスコンシン大学、ミシガン大学、ハバーフォード大学、ハーヴァード大学、スタンフォード大学、コーネル大学、ノースウェスタン大学、ブラウン大学、ダートマス大学、プリンストン大学など、入学基準が非常に厳しい大学を含む900以上の大学に入学しています。

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