空の鳥を見るがよい

冬になると猫の額のような庭の一本の木に針金をつるし、リンゴを串刺しにしてぶら下げます。ほどなくして鳥が飛んできます。しばらく警戒しますが、すぐについばみ始めます。柿は落ち、木の実もほとんどなくなると、鳥は餌を求めて我が家の庭にもやってきす。

鳥の名前をいえるのは雀、メジロ、ムクドリ、オナガなどです。他の鳥は残念ながら名前がわかりません。ムクドリは大抵は一羽でやってきて、大声でわめき縄張りを主張します。つがいでくるときは、順にリンゴをつっつきます。体は濃い褐色で顔に白い羽毛、嘴と足は橙色です。お世辞にも綺麗な鳥とはいえません。

横井啓介氏撮影

雀は遠くにとまりムクドリが飛び去るのを待っています。オナガは5〜6羽の群れでやってきて、整然と順々に食べています。喧嘩は決してしません。このときばかりは、ムクドリは手も足も出ません。リンゴが無くなった朝、近くの木にムクドリがとまっているのを見計らって、新しいリンゴをつるしてやります。するとムクドリがすぐ飛んできます。これを繰り返していると、「お前が餌をくれる人間なのだな」、とわかるようです。3メートルくらいの距離で庭の手入れをしていても逃げなくなります。安心しきったかのようにリンゴをついばみます。

どこに住もうか、なにを食べようか、なにを着ようかと悩むことのない鳥。食べ物を自然や人から与えられる空を飛ぶ鳥をみていると、被造物の不思議な命の営みを感じます。「思い悩むな」ということばを考える季節です。

空の鳥を見るがよい。まくことも、刈ることもせず、倉に取りいれることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていて下さる。(マタイによる福音書6:26)
Look at the birds of the air; they do not sow or reap or store away in barns, and yet your heavenly Father feeds them. (New International Version:NIV)

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