アメリカには様々な学校があります。日本にはない教育の実践を紹介しましょう。それは、犯罪を犯した生徒の教室です。
アリゾナの州都フェニックスに行ったときです。職業訓練を中心とした学校を紹介されて兵庫教育大学院生とで出かけました。3名の生徒が英語や数学を勉強していました。教師は数名いたでしょうか。事前に、私はそこの生徒は犯罪の経歴があることを聞いていました。ガンを保持していた白人女性、ドラッグを売っていた黒人男性、車を盗んだ黒人男性です。いずれも高校生です。
教師は、私たちが生徒に声をかけて良いといいました。「将来どんな進路を考えているのか」と聞きますと、「大学へ行って技術を身に付けたい」と黒人高校生が答えてくれました。女性は看護師になりたいというのです。そのために、教科の勉強をしているようでした。彼等は裁判所から一年間の要観察を言い渡され、職業訓練などの矯正教育を受けているのです。それにしても見知らぬ訪問者に生徒と会話を許すなんて、素晴らしいことです。
もし、勉学の態度が改善されれば彼等はやがて通常の高校に戻ります。このように生徒を地元の高校に戻すことが望ましい、という考え方が前提にあるのは興味あることです。