30年間、積極的差別是正措置を推進してきたコロンビア大学(Columbia University)のボリンジャー学長(Lee Bollinger)は、この判決について「悲劇的な気分だ」と語り、「この国は、公民権の偉大な時代を継続するか、それとも “もう十分長いことやってきたから、まったく新しいアプローチが必要だ “という別の見方をするかの二者択一を迫られているように感じる。今は第二の選択だ。」
この意見は、初のラテン系最高裁判事であるソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)の反対意見と呼応しています。「裁判所は、民主的な政府と多元的な社会の基盤である教育における人種的不平等をさらに根付かせることによって、憲法が保障する平等保護を破壊する」と彼女は主張します。最高裁初の黒人女性判事であるケタンジ・ジャクソン(Ketanji Jackson)も、次のように述べます。「今日、多数派は、”色覚異常はすべての人に “と、法的措置によって宣言した。しかし、法律において人種を無関係とみなすことは、人生において人種を無関係とすることにはならない。」
ホワイトハウスからは、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が、裁判所の判決に「極めて強く同意しない」と述べ、大学に対し、判決を「最後の言葉」にするのではなく、多様性を実現する他の道を模索するよう促しました。保守派とリベラル派の分裂に加え、積極的差別是正措置をめぐる争いは、有色人種である3名の裁判官の間の深い溝を示しました。ホワイトハウスでカメラの前に現れたバイデンは、全米の大学について「彼らは、アメリカ全体を反映する多様な背景と経験を持つ学生を確保するというコミットメントを放棄すべきではない」と述べ、大学は受験生が「克服した逆境」を評価すべきだと語りました。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領とバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領は、この高裁判決について全く異なる見解を示しています。現在、共和党の大統領選の最有力候補であるトランプ氏は、自身のソーシャル・メディア・ネットワーク(SMN)で、「並外れた能力を持ち、わが国の将来の偉大さを含め、成功に必要なあらゆるものを備えた人々が、ついに報われることになった」と書き込んでいます。