私が残念に感じていることは、ロシア語を勉強していないために、ロシア語の駄洒落をオチに使っているものが理解できないことです。ロシア語の動詞、俗語、隠語が分からないのです。ですからどうしても翻訳された政治的な小咄などに偏りがちになるのは仕方ありません。私の長女はアメリカに帰化したロシア人と結婚していますが、彼からロシア語のオチを学ぶには時間が足りません。多くの識者がロシアの事情を知っていて、ロシアのアネクドートを正確に翻訳しオチを紹介してくれているのは有り難いです。
その1
「歯科医院に対する恐怖感を無くすためにはどうしたらよいか?」
「簡単だ。歯科医院がお前が口を開ける唯一の場所だと思うことだ」
その2
マッチ工事が火事になった。燃え残ったのは、マッチだけだった。
(「ノルマ」があったので、手抜きして製造する工場もあった。このマッチ工場も手抜きしてたから「火のつかないマッチ」を作っていたというオチ。)
その3
ある幼稚園で海外使節団を迎えることになり、保母は園児たちに「ソ連のものは世界一です!」と答えるように教育した。
保母「おもちゃはどう?」
園児「ソ連のものは世界一です!」
保母「食べ物はどう?」
園児「ソ連のものは世界一です!」
しばらくして園児たちが泣きながら言った「ソ連に行きたいよう!」
その4
ある女優がブレジネフを表敬訪問した。
ブレジネフ「君の願い事ならなんでも叶えてあげよう」
女優「じゃあ、亡命希望者には一人残らず出国を許可してくださいません?」
ブレジネフ「おいおい、君は私と二人っきりになりたいのかい?」
その5
「アメリカでは国民がテレビを観る(watch)」
「ソビエト・ロシアではテレビが人民を見張る(watch)!」
その6
アメリカ人「ソ連にもアメリカのような言論の自由があるって本当か?」
ロシア人「その通り。ホワイトハウスの前で、お前が『くたばれ、レーガン!』って叫んでも罰せられないのと同じ」
ロシア人「モスクワの赤の広場の前で『くたばれ、レーガン!』って叫んでも罰せられん」
その7
「嘘にはどんなのがあるか?」
「嘘には四つある。普通のと、厚かましいのと、統計と、人から聞いたってやつだ」
その8
国歌に関するプーチン大統領とのインタビューから
インタビューア「国歌吹奏のときは、必ず起立することになるのでしょうか」
プーチン「各人には選択の自由が与えられる。起立しないなら坐ることになる」
(坐るとは動詞で牢屋に入るという意味とかけている)
その9
「世界で最も中立的な国はどこか?」
「ロシアだな、今や自国の内政問題にすら干渉しないのだから」
その10
ロシア人は見知らぬ人をとにかく警戒する。このためか「ロシア人がこの世で2番目に信用しないのはアメリカ人だ」
(1番警戒するのはロシア人というのがオチ)