ロシアのウクライナ侵攻が始まった直後の2022年3月には、連邦法第32-FZ号というものが施行され、これに基づいて「軍の信用の毀損」が処罰の対象となります。ロシア軍やプーチン政権を批判したり揶揄すること(アネクドート)を封じるためと考えられます。アネクドートには、いくつかの系統があって共産主義に対するもの、独裁者スターリンに対するもの、秘密警察に関するもの、政治家に対するもの、軍関係のもの、物不足に対するもの、ノルマに関するもの、強制収容所に対するものなどなど、アネクドートを通してソ連の政治体制を馬鹿にしています。ソ連の政治的な特殊性がオチに反映されています。最近はプーチンの指導性を揶揄するものが増えています。
その1
KGB「お前の職業は?」
容疑者「著作者です」
KGB「ふん、労働者じゃないのか・・・両親は何をしていた?」
容疑者「裕福な商人でした」
KGB「しかもブルジョワか。お前の妻は?」
容疑者「貴族の娘です」
KGB「資本主義の犬め!名を名乗れ!」
容疑者「カール・マルクスと申します」
その2
有名なガガーリンの帰還を祝うパーティーにロシア正教のモスクワ総主教も参加していた。
総主教「宇宙を飛んでいたとき、神の姿を見たか?」
ガガーリン「見えませんでした」
総主教「わが息子よ、神の姿が見えなかったことは自分の胸だけに収めておくように。」
暫くしてフルシチョフがガガーリンに同じことを尋ねた。総主教との約束を思い出したガガーリンは先ほどとは逆のことを答えた。
ガガーリン「見えました」
フルシチョフ「同志よ、神の姿が見えたことは誰にもいわないように」
その3
「どうしてソ連は月に宇宙飛行士を飛ばさなかったのか?」
「未帰還者が出る恐れがあるから」
その4
アエロフロート(ソ連航空)の機内
スチュワーデス「お食事をお召し上がりますか?」
乗客「なにが食べられるのか?」
スチュワーデス「イエスかノーかでどうぞ」
その5
神父「ウオッカは人類最大の敵だ、そんなものにどうして好きになれるんかね?」
農民「でも聖書に書かれている、汝の敵を愛せよと」
その6
ある時、スターリンが誘拐されてしまった。誘拐犯から犯行声明が届いた。
「身代金1000万ルーブル払え‼︎ もし払わなければ、スターリンを生きて返すぞ!」
その7
ある男が強制収容所に送られてきた。囚人たちが聞きいた。
「お前は懲役何年の刑だ?」
「20年だ。何も悪いことはしていないのに…」
「そんなことはあるまい。無実の罪の相場は懲役10年だぜ」
その8
「今度政府が懸賞付きで政治ジョークを募集するらしいぜ」
「へぇ〜、それで1等賞は何がもらえるんだい?」
「シベリアへの長期休暇さ」
その9
市民がパンを買うためには、長い行列に並ばなければならない。ついに、男の1人が怒ってこう叫んだ。
男「もう我慢ならない、俺はゴルバチョフを殴りに行く」と。しばらく経って、ショボンとした顔のその男が帰ってきた。並んでいた人はみな聞いた。
市民「殴ってきたのか?」
男「あっちにも列が出来てた」
その10
「我が国の強制収容所がとても待遇が良いと聞いた。本当か?」
「本当だ。5年前、友人の記者がその真相を確かめるべく強制収容所に調査に行った。気に入ったらしく、いまだに帰って来ないから」
その11
スターリンが川遊び中、川に落ちて溺れたところをたまたま助けた農民がいた。
スターリン『褒美をあげよう、何がいいか?」
農民「あんたを助けた事を国家機密にして欲しい」