クルト・レビンとT-groups

この欄で社会心理学者のフェスティンガー(Leon Festinger) を紹介しました。彼の学術上の成果を生んだのは指導教官であったクルト・レビン(Kurt Lewin)です。彼もまたユダヤ人の家系です。ポーランドで生まれやがてベルリン大学 (University of Berlin)で学位をとります。

しかし、ナチスの政権掌握によりレビンなどユダヤ人の学者は大学から追放されます。1933年にアメリカに亡命し、その後はスタンフォード大学 (Stanford University) やコーネル大学(Cornell University)、アイオワ大学 (University of Iowa)で研究し始めます。やがてベルリンに残した家族もアメリカに呼ぼうとしたのですが、母親がユダヤ人収容所で亡くなったことを知ります。

専制型、民主型、放任型といったリーダーシップのスタイルや集団での意思決定の研究を「場の理論」(field approach) 基づいて進めます。我が国で1970年代に盛んにとり入れられたのが集団力学と訳されるグループダイナミックス(group dynamics)の実践で、特にリーダーの養成のアクションリサーチ(action research)として「Training-group」が使われました。企業や団体の指導者訓練で、理論的な考えをまとめた「A Dynamic Theory of Personality」という著作は特に知られています。

レヴィンはゲシュタルト心理学 (Gestalt Psychology)を人間個人だけでなく集団行動にも応用したことで知られています。集団内における個人の行動は、集団のエネルギー場、すなわち集団がもつ性質やどんな成員がいるのかといったことによって影響を受けると考え、これによりグループ・ダイナミックスが生起すると考えのです。グループ・ダイナミックスはやがて感受性訓練(sensitivity training)などにも応用され、臨床的分野へと広がっていきます。交流分析(Transactional Analysis)もグループにおけるセラピーの手法といわれ良いコミュニケーションを図るために用いられています。ゲシュタルト心理学については、後の心理学者のところで紹介することにします。

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アメリカの州鳥 その11 イリノイ州の鳥 ショウジョウコウカンチョウ

イリノイ州(Illinois)の州都はスプリングフィールド(Springfield)。金融の世界的な中心シカゴ(Chicago)もイリノイ州に位置しています。東はインディアナ州(Indiana)、南東はケンタッキー州(Kentucky)、西はミズリー州(Missouri)とアイオワ州(Iowa)、北はウィスコンシン州(Wisconsin)、北東にミシガン湖(Lake Michigan)があります。

Cardinal

ミシガン湖とミシシッピー川(Mississippi Rive)を結ぶ運河により水運が効率になります。陸上では合衆国の交通の要所で鉄道網が発達しています。空運の大中心地がシカゴのオヘア空港(O’ Hare)、工業、農業、金融業、運輸、サービス業などの多様性は合衆国経済の縮図となっています。イリノイには「リンカーンの地 (Land of Lincoln)」という州の公式スローガンがあります。イリノイからは、共和党員のアブラハム・リンカーンの他に民主党員のバラク・オバマ(Barack Obama)が合衆国大統領となっています。シカゴのダウンタウンにシカゴ美術館 (Art Institute of Chicago)があります。是非立ち寄りたいところです。

イリノイ州の土壌は分厚い黒土層でおおわれ、農業に適した肥沃な州で知られています。世界有数の穀倉地帯でもあります。農地は州面積の80%を占め、大豆は全米第一位、トウモロコシはアイオワと同じ一、二位を争っています。

イリノイ州の鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。アメリカの東部から中部、南部それにメキシコが原産です。カリフォルニア州にも広がり、その分布域を広げています。林縁や低木帯、人家の周りの茂みなどに生息します。体長は20センチ前後でオスは黒い顔をのぞいて全体が赤色で、メスは淡褐色から淡い緑褐色をしています。頭部に尖った冠毛があり、くちばしは円錐形で橙赤色です。いろいろな種類があり18亜種が確認されています。主にメスのフェースマスクの色で区別するそうです。植物の種子や穀物、果実、昆虫などを餌にしています。一年中さえずりますので人々に親しまれている鳥です。

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