アメリカ英語の修辞学 その6 トピックセンテンス その2 書き手の意図

注目

 次に、トピックセンテンスと中心となる考えがどのように書き手の意図につながるかを示す段落を以下に示します。最初の短い文で段落の主題が示され、中心となる考えは「奇跡」という単語に含まれています。次の文は、E. B. Whiteが書いた「The Miracle of New York」というタイトルのものです。

It is a miracle that New York works at all. The whole thing is implausible. Every time the residents brush their teeth, millions of gallons of water must be drawn from the Catskills and the hills of Westchester. When a young man in Manhattan writes a letter to his girl in Brooklyn, the love message gets a blown to her through a pneumatic tube—pfft—just like that. The subterranean system of telephone cables, power lines, steam pipes, gas mains and sewer pipes is reason enough to abandon the island to the gods and the weevils. Every time an incision is made in the pavement, the noisy surgeons expose ganglia that are tangled beyond belief.

Brooklin, New York

By rights New York should have destroyed itself long ago, from panic or fire or rioting or failure of some vital supply line in its circulatory system or from some deep labyrinthine short circuit. Long ago the city should have experienced an insoluble traffic snarl at some impossible bottleneck. It should have perished of hunger when food lines failed for a few days. It should leave been wiped out by a plague starting in its slums or carried in by ships rats. It should have been overwhelmed by the sea that licks at it on every side. The workers in its myriad cells should have succumbed to nerves, from the fearfull pall of smoke-fog that drifts over every few days from Jersey, blotting out all light at noon and leaving the high offices suspended, men groping and depressed, and the sense of world’s end. It should have been touched in the head by the August heat and gone off its rocker.

訳:
 ニューヨークが機能していること自体が奇跡だ。すべてが信じがたい。住民が歯を磨くたびに、キャッツキル山地やウェストチェスターの丘陵地帯から何百万ガロンもの水が汲み上げられなければならない。マンハッタンの青年がブルックリンの恋人に手紙を書くと、その愛のメッセージは空気圧チューブを通して、まるで魔法のように彼女に届けられる。電話線、送電線、蒸気管、ガス管、下水道管の地下システムは、この島を神々とゾウムシに委ねるに十分な理由となる。舗装路に切開を加えるたびに、騒々しい外科医のような工夫たちは信じられないほど複雑に絡み合った神経回路のような配線を露わにする。

 本来なら、ニューヨークはとっくにパニックや火災、暴動、あるいは循環器系のような重要な供給ラインの故障、あるいは迷路のような深いショート回路によって自滅していてもおかしくなかった。この都市はとっくに、あり得ないボトルネックで解決不可能な交通渋滞に見舞われていてもおかしくなかったのだ。数日間食糧供給が途絶えただけで、飢え死にしていたはずだ。スラム街で発生した疫病、あるいは船から持ち込まれた疫病によって全滅していたはずだ。四方八方から押し寄せる海に飲み込まれていたはずだ。無数の独房で働く労働者たちは、数日おきにジャージー島から漂ってくる恐ろしい煙霧に神経をすり減らし、正午の光をすべて遮り、高いオフィスビルを麻痺させ、人々を不安と絶望、そして世界の終わりの感覚に陥らせていたはずだ。八月の暑さで頭がおかしくなり、正気を失っていたはずだ。

解説:
 E.B.ホワイトの文の段落は、各文の細部がニューヨークの生存が奇跡的であるという中心的な考えに結びついているため、統一感があります。一貫性は、不快感から始まり狂気で終わるように、細部を段階的に並べることで生まれます。

 トピックセンテンスは段落の冒頭に置かれることが多いですが、他の場所に置かれることもあります。時には最後にあることもありますが、その場合でも意味が通じます。しかし、どこに置かれていても、トピックセンテンスは段落の展開を決定づけます。各段落で中心的な考えを述べることで、執筆の目的が明確になります。これにより文章を効果的に展開することで読者が理解するのに役立ちます。

 それでは、これまで考察してきた点を例示する英語の段落をさらに見ていきます。それぞれの段落を次の3つの質問を自問自答しながら分析してください。

・一貫性がありますか?
・統一感がありますか?
・中心的な考えを表すトピックセンテンスがありますか?

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ナンバープレートから見えるアメリカの州ニューヨーク州・The Empire State

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ニューヨーク州(New York)のナンバープレートには「The Empire State」と印字されています。戦後しばらく、世界一高い建物といわれたEmpire State Buildingの影響があるようです。なんでも世界一が好きなアメリカのことです。ニューヨークは確かにそのような風格と内容を備えてはいますが、少々いかつい印象もぬぐえません。

License Plate of New York

ヨーロッパの植民地化以前は、アルゴンキン族(Algonquian)とイロコイ族(Iroquois)がこの地域に住んでいました。1524年、ジョヴァンニ・ヴェラッツァーノ(Giovanni Verrazzano)がニューヨーク湾(New York Bay)にやってきます。1609年に、ヘンリー・ハドソン(Henry Hudson)とサミュエル・ド・シャンプラン(Samuel de Champlain)がニューヨーク湾を探検し、やがてオランダ人らが入植を開始します。1664年、ピーター・スタイヴェサント(Peter Stuyvesant)によってオランダの植民地ニューネザーランド(New Netherland)が作られます。しかし、その後やってきたイギリスに降伏し、ニューヨーク湾を放棄します。そしてニューヨークと改名されます。

フレンチ・インディアン戦争(French and Indian War)が起こり、ニューヨーク北部と中部で小競り合いが始まり、この地域におけるイギリスの支配が確立します。アメリカ独立戦争では、タイコンデロガ(Ticonderoga)やサラトガ(Saratoga)など多くの戦いの舞台となります。ベネディクト・アーノルド(Benedict Arnold)によるウェストポイント(West Point)もイギリスへの謀反の舞台となりました。

最終氷河期(Ice Age)の間、後退する氷河が現在のニューヨークの地形を削り出しました。ハドソン川(Hudson River)とモホーク川(Mohawk River)の渓谷の形成により、キャッツキル山脈(Catskill Mountains)とアディロンダック山脈(Adirondack Mountains)を突破するL字型の通路が形成されました。ハドソン川の河口から旅をしていた初期の探検家や入植者は、五大湖やその先へ行くためにこの道をよく利用しました。このルートの大部分を利用して、エリー運河(Erie Canal)が19世紀初頭に建設されました。この運河はハドソン川とエリー湖を結びました。1825年の開港後、貿易が発展し、ニューヨークがアメリカ商業の最前線に立つことになります。

Map of New York

ニューヨークは17世紀初頭のオランダ人入植後、すぐにアメリカ大陸への主要な玄関口になります。1840年代以来、ニューヨーク市はアメリカのるつぼ(melting pot)として膨張し、ヨーロッパ全土から、後にはラテンアメリカ(Latin America)、アジア、アフリカ、その他の世界の地域からの何百万人もの移民にとって機会の場所となってきました。港にあるリバティ島(Liberty Island)には、自由の像(Statue of Liberty)、自由の女神が立っています。

なにを取り上げても話題の尽きない州です。最大の都市はニューヨークですね。州都はニューヨークから300キロも離れた人口10万人足らずのアルバニー(Albany)。ニューヨーク州は正三角形に近い形をしています。ニューヨーク州の境界には五大湖のうちの2つのエリー湖(Lake Erie)とオンタリオ湖(Lake Ontario)があります。カナダのオンタリオ州とケベック州(Quebec)と国境を接し、コネチカット州、ヴァモント州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、そしてとペンシルベニア州と隣接しています。

1800年代後半から1900年代初頭にかけて、エリス島(Ellis Island)は合衆国の主要な移民ステーションとなりました。この島はアッパーニューヨーク湾(Upper New York Bay)にあり、ニューヨーク市の一部であるマンハッタン島の南西約1.6 km、ニュージャージー海岸(New Jersey shore)のすぐ東にあります。


この島は、1770年代に島を所有していたマンハッタンの商人サミュエル・エリス(Samuel Ellis)にちなんで名付けられました。1808年、ニューヨーク州はこの島を連邦政府に売却します。やがて移民センター(immigration center)は1892年に開設されます。それから1924年までの間に1,200万人以上の移民がエリス島に上陸し、そこで医師による検査を受け、入国手続きを受けました。ほとんどの人は入国が許可されますが、重病人や障害者は拒否されました。拒否された移民は祖国に送り返されました。

エリス島は、1924年に移民をより厳しくする法律が議会で可決されると、この島の重要性が低下します。1943年に移民の受付がニューヨーク市本土に移された後も、エリス島は移民問題を抱えた人々の収容所として機能し続けます。やがて1954年にエリス島のセンターは閉鎖されます。この島は1965年に自由の女神国定公園(Statue of Liberty National Monument)の一部となり、1976年に観光客に再開されました。1980年代に政府は島の建物を修復し、現在はエリス島移民博物館(Ellis Island Immigration Museum)となっています。

今やニューヨークは合衆国50州の中で傑出した地位を占めています。その大都市であり港であるニューヨーク市は、アメリカ最大の都市です。長い間この国の文化的および金融の中心地となるこの街は、新生した国の最初の政治的な首都でした。伝統によれば、1784年、ジョージ・ワシントン(George Washington)が初代大統領としてニューヨーク市に就任する5年前に、ニューヨークを「帝国の本拠地」(seat of empire)として構想し、その結果、エンパイア ステート(Empire State)というニックネームが生まれたとも言われています。

1789年に合衆国が共和制になったとき、ニューヨーク州は人口で州の中で5位にランクされました。 新しい国の初期の数年間、この州は急速に成長し、1820 年の国勢調査では第一位に躍り出ました。ニューヨーク州は1960年代半ばまで人口で州のトップであり続けましたが、その後カリフォルニア州に追い抜かれました。それでも、ニューヨークは全米で最も人口の多い州にランクされており、1年間に生産される商品とサービスの合計額州総生産は、一部の国を除くすべての国を上回っています。

ニューヨークの人口のほとんどは都市に集中しています。歴史的に、都市化はエンパイアステートに繁栄だけでなく問題ももたらしました。都市部の混雑した状況により、時には困難な生活環境がもたらされることがあります。現在の社会的不平等に対する州の対応としては、労働者の権利を守る強力な法律、少数派を保護するプログラム、巨額の福祉手当などが挙げられています。

1777年にニューヨークが最初の州憲法を採択し、1797年には州都がニューヨークからアルバニーに移転します。1825年にエリー運河(Erie Canal)が開通し、州西部の開発に拍車がかかります。19世紀にはニューヨーク市でタマニー・ホール(Tammany Hall)という民主党の政治団体の影響力が強まり、票の買収操作による政治腐敗によって市と州との間に緊張が走ったこともあります。かつてはバッファロー(Buffalo)、ロチェスター(Rochester)、シラキュース(Syracuse)など各都市の製造業が経済の中心でありました。現在はニューヨーク市に集中するサービス業が中心となっています。


北東部の森林に覆われたアディロンダック(Adirondack)斜面、中央および西部地域のなだらかな丘陵地帯、セントローレンス川(St. Lawrence River)とオンタリオ湖とエリー湖の草原が、州の大部分の田園風景を形成しています。エリー湖からオンタリオ湖に流れるところにナイアガラの滝(Niagara Falls)があります。この辺りはニューヨーク州とカナダのオンタリオ州との国境になっています。19世紀の終わりまで、ニューヨークは国の主要な農業州でありました。乳製品や果物、野菜の生産では依然として上位にランクされていますが、21世紀の州経済ではサービスと製造業が農業をはるかに上回っています。

ニューヨーク市は世界経済、商業、コミュニケーションの中心地です。多くの企業の本社がここにあります。またショービジネスなど娯楽産業の中心でもあります。年間4700万人の観光客が訪れます。国際連合はじめ公共機関も沢山あります。9・11の影響がいまだに続いてはいますが、急速な回復はニューヨークのバイタリティを感じます。公共交通網も張り巡らされ、多くの交通機関は24時間運行となっています。ニューヨーク市のニックネームは「Big Apple」。その由来は、大恐慌時代に失業者が市内でリンゴ売りをしていたとか、ジャズマンが使い始めたとか、1800年代に街には一番美味しい「リンゴ」(隠語で売春婦)がいたという説などです。

ニューヨークではBBQを賞味したいものです。シシカバブ(shish kebab)です。もともとはトルコからの移民がもたらした料理ですが、ニューヨークにもすっかり定着しました。市内にはたくさんのBBQレストランがあります。私にとってのニューヨークですが、私はセントラルパーク(Central Park)を走り、家内はメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum- Met)へ、院生はミュージカルを楽しんだようです。友人の教員がBBQレストランに連れて行ってくれたのが思い出です。
(投稿日時 2024年3月3日)

ナンバープレートを通してのアメリカの州  その三十 ニューヨーク州–The Empire State

ニューヨーク州(Newyork)の紹介です。なにを取り上げても話題の尽きない州です。最大の都市はニューヨーク、州都はニューヨークから300キロも離れた人口10万人足らずのアルバニー(Albany)。州の西端にはナイアガラ瀑布(Niagara Falls)があるのをご存じですか。

 ニューヨーク州は正三角形に近い形をしています。ニューヨーク州の境界には五大湖のうちの2つのエリー湖(Lake Erie)とオンタリオ湖(Lake Ontario)があります。カナダのオンタリオ州とケベック州と国境を接し、コネチカット州、バーモント州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、そしてとペンシルベニア州と隣接しています。

ニューヨーク市(Wikipediaより)

 誰でもご存じのニューヨークは世界経済、商業、コミュニケーションの中心地です。多くの企業の本社がここにあります。またショービジネスなど娯楽産業の中心でもあります。年間4,700万人の観光客が訪れます。国際連合はじめ公共機関も沢山あります。9・11の影響がいまだに続いてはいますが、急速な回復はニューヨークのバイタリティを感じます。公共交通網も張り巡らされ、多くの地下鉄は24時間運行となっています。

 ニックネームはBig Apple。その由来は、大恐慌時代に失業者が市内ででリンゴ売りをしていたとか、ジャズマンが使い出したとか、1800年代に街には一番いい「リンゴ」があったという(隠語で売春婦)説などです。

 ニューヨークの由緒のある所の紹介です。エリス島(Ellis Island)は忘れることができません。ニューヨーク湾内にあって、19世紀にヨーロッパからの移民が到着したのがこの島です。かつての移民管理局は今は博物館となっています。1800年頃から1954年まで使われていたとあります。その近くには自由の女神(The Statue of Liberty)が建っています。合衆国の独立100周年を記念してフランスより贈呈され、1886年に造られました。ヨーロッパからやってきた人々が船上からこの像を眺めて、新天地への憧れを抱いたところといわれています。自由の象徴ともなっています。


 ニューヨーク州のナンバープレートには「The Empire State」と印字されています。戦後しばらく、世界一高い建物といわれたEmpire State Buildingの影響があるようです。なんでも世界一が好きなアメリカのことです。ニューヨークは確かにそのような風格と内容を備えてはいるようですが、モットーからは少々いかつい印象もぬぐえません。