留学を考える その8 感謝祭と植民地

Thanksgivingの頃、中西部(Midwest)やボストン(Boston)あたりのNew England地方の気候は誠に寒々としている。木々の葉はすっかり散り、雪が冷たい風に吹かれて舞う。それだけにThanksgivingでは、人々の高揚した雰囲気は格別なものがある。祝いの飾り付けも綺麗だ。家の主人はエプロンを着て張り切っている。留学して初めてのThanksgivingを経験すると「ついにアメリカに来たか、、、」という感慨に襲われるに違いない。

マディソンにいた頃、ミルウォーキー(Milwaukee)に住むかつての宣教師ご一家の晩餐に招かれたことがある。インターステート90(Interstate 90: I-90)を車で飛ばしていった。I-90は、シアトル(Seattle)からボストン(Boston)に至る4,990キロの全米で最も長い州間高速道路である。途中、シカゴ(Chicago)やクリーブランド(Cleveland)、シラキュース(Syracuse)などを通過する。道路際の至るところに「鹿に注意」の看板がでている。

午前中は教会でThanksgivingの礼拝が執り行われる。説教の題となるキーワードは平和、愛、捧げ、喜び、感謝、恵みなどである。例えば詩篇(Psalm)106章の1節では、「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」
“Give thanks to the Lord, for He is good. His love endures forever.” と読み上げられる。

ボストンの南東にある半島は(Cape Cod)と呼ばれる。ヨーロッパからの漁民が鱈を求めてきたところのようである。そこに移民しようとした人々は、砂地で水がないことからケープコッドをあきらめプリマス(Plymouth)のあたりにコロニーをつくったとある。1620年頃、メイフラワー号(Mayflower)でこの地に上陸したのが清教徒と呼ばれる人々である。移民の中には干ばつや飢饉により多数の餓死者がでるほど、苦しい生活を強いられたようである。それだけに豊穣な収穫に対する感謝がThanksgivingにつながったといわれる。

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留学を考える その7 そろそろ感謝祭が

念願の留学が叶ったとしよう。授業や課題、そしてテストの準備で忙しくてびっくりするに違いない。少し生活が落ち着いた頃、最も喜ばしくも楽しい暦の祝日、感謝祭(Thanksgiving)が近づく。感謝祭は11月の最終曜日、キリストの降誕を祝うクリスマス(Christmas)と並ぶ四日間の休日である。

この祝いを楽しく過ごすには普段から心掛けておくことがある。例えば大学の寮などで生活しているときは、米国人の学生らと親密になっておくことである。彼らは感謝祭の週末には親の元に帰って過ごす。友達づきあいをしておくと、必ず「一緒に家族のところに行かないか、、」と誘ってくれる。

もし普通のアパートを借りていても隣近所の人々と仲良くしておくことだ。一緒にパーティをしたりBBQなどの会合には顔を出して会話することを心掛けておくことが大事だ。またキリスト教会などの礼拝に出席していると、必ず声をかけてくれる。日頃から積極的に自分から活動に飛び込んでおくのである。求めると与えてくれるのである。毎日、独りぼっちで勉強ばかりする生活はいけない。

感謝祭は、人々が最も旅行する時期である。道路も空港も大混雑する。だが市営バスは本数を減らして運行する。学校、官庁、会社、その他の機関も4日間の休みとなる。多くの町や村ではパレードが行われる。子供も大人にも楽しみな行事である。家族や親戚、友人が集まって宴の晩餐を囲む。

感謝祭の料理の中心は七面鳥(turkey)である。そのほか、グランベリーソース(cranberry sauce)、パンプキンパイ(pumpkin pie)、ジャガイモ(potatoes)、スタッフィング(stuffing)、グレービー(gravy)が卓上に並ぶ。マッシュポテトに肉汁、グレイビーをかけたものはアメリカ料理の定番のようだ。鳥肉料理にも欠かせないソースである。

宴の前には、必ず家の主が感謝の祈りを捧げる。そして七面鳥にナイフをいれる。招かれた者は勝手に皿をとって料理に手を伸ばしてはいけない。テレビでは寒さのさなか、フットボールが中継されている。感謝祭が終わるとクリスマスの待降節ーアドベント(Advent)が始まる。皆懸命に勉強に集中する。

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留学を考える その6 米国大学への留学生の増加

アメリカのシンクタンク(think tank)、国際教育研究所(Institute of International Education: IIE)が発表した2013〜14年度のアメリカの大学や大学院への留学生の統計は興味深い。国際教育研究所はフルブライト財団の支援によるFulbright Programを主宰したり、国内外の留学生を支援する、いわばアメリカにおける国際交流教育の旗艦組織である。

この統計によるとアメリカの大学への留学生の数は、前年度と比較して8.1%増の約88万6千人で、総数は1,107万5千人であるという。アメリカは留学生で支えられているといってよいほどの数字である。率直にいってアメリカの大学への留学はやはり高い人気があるという印象である。

国別の留学生の数だが、第1位は5年連続して中国人で、27万4千人とあり、これは前年の16.5%の伸びで留学生全体の31%を占めた。第二位はインド(Inidia)で10万3千人の6.1%の伸び、第三位は韓国となっている。日本からは1万9千人。前年度より6.2%減っている。この減少は9年連続して続いている。1990年後半が留学生のピークだった頃と較べで半減してしまった。

留学生の増加の伸びでいえば、最高はサウジアラビア(Saudi Arabia)からの留学生の伸びが21%で5万4千人となっている。ブラジル(Brazil)、クエート(Kuwait)からの留学生も大幅に増えている。この理由は国費留学生の増加であるという。

アメリカの大学で留学生が増加する第一の理由は、優れた高等教育を受けられる環境があるからである。留学中に学位を取得すれば、自国に帰ったときその身分が優遇され、地位や高所得が約束されている場合が多い。今もアメリカの大学への留学は大きなステイタスとなっている。

第二は派遣先の国内で、高等教育機関を十分な早さでつくれないなど、人材養成が追いつかず、そのために留学生が増えているという状況である。若者の向学心を満たす教育や研究環境が不十分ということだろう。

第三はアメリカは伝統的に留学生の出身国がどこであれ歓迎するという姿勢をとっていることである。中国やインドだけでなく、アメリカとの外交関係が緊迫した状態にあるイラン、ベネズエラからもたくさんの留学生を迎え入れている。キューバはアメリカとの外交関係が修復しつつあり、留学生の数はふえるであろう。留学生の受け入れは大学にとっては大事な収入源となっている。

だが最近の日経のニュースでは、アメリカの小さな規模のリベラルアーツ大学は国内での学生の減少に悩み、廃止や合併が起こっているようである。私立に比べ授業料が比較的安い州立大学へ進む傾向がある。

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留学を考える その5 リベラルアーツ教育とサービス・ラーニング

最近の大学におけるリベラルアーツ大学のカリキュラムをみていると、バイリンガルな人材の養成、留学体験による多文化理解、あるいは他文化理解、そしてグローバルな資質の養成などなっている。そのために、多文化理解科目の設置や英語による授業、留学生との交流、留学の推進などを掲げている。一体そんな環境で国際的に活躍できる人材が育つのか?

筆者は、留学とは学位を獲得する修学形態と定義している。英語研修とかホームステイによる異文化体験ということではない。ところが多くの大学が学生を仲介するのは、一週間とか二週間の英語研修である。そのため保護者も我が子のために数十万円の出費を強いられる。学生といえば、全くの海外旅行気分である。事前研修というのがある。小遣いはいくら位とか、パスポートの期限は大丈夫か、英語会話の練習とか、ホームステイの心構えとか、、、、まるで小学生の修学旅行の事前準備のようだ。

最近は語学研修からボランティア体験が脚光を浴びているようだ。大学側もその準備のために相当な努力を強いられている。まずは、ボランティアを受け入れてくれるパートナー機関を探すことから始まる。機関は大学であったり現地のNPO法人であったり、政府関連機関であったりする。ボランティア体験は、主として現地での活動の観察や交流、各種の体験、話し合いなどとなる。

しかし、ボランティア体験だけではグローバルな人材を育てることには限界があることが、ようやく認識されてきた。それはボランティア活動の計画がすべて機関間で周到にお膳立てされ、学生の側の声やニーズが届いていなかったことである。受け身の姿勢からは学ぶことの果実は少ない。そこから「サービス・ラーニング(Service Learning)」という新しい発想が生まれてきた。

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留学を考える その4 国際リベラルアーツ

「国際リベラルアーツ」という名称は比較的新しい。このカリキュラムであるが、原則英語での授業、国際教養科目の充実などを強調している。また外国人留学生との交流とか留学を義務付けるというのもある。これといって珍しいことではない。国際リベラルアーツは、今日の大学改革、とりわけ国立大学法人に対して求められている再編成の圧力が強まっていることもみのがせない。人文・社会科学系学部再構築は、世界の政治や経済、文化を学べるコースを用意し、国際的に活躍できる人材を育てる拠点にするというのが主流のようである。

なぜこのような様相になってきているかである。それは国の指針「グローバル人材育成戦略」があり、大学はそれに沿って学部を新設しようとしている。我が国を取り巻くグローバル化は急速に進展しているといっても、1990年後半からの海外留学生数の減少、海外勤務を希望しない内向きの学生の増加が報告されてきた。そのため、政府もこのような状況を危惧し「グローバル人材育成推進会議 審議まとめ」を発表した。「高校・大学、企業、政府・行政、保護者等が積極的に若い世代を後押しする環境を社会全体で生み出すことが不可欠」と提言している。これが文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」につながっている。

2014年には、長崎大学が「多文化社会学部」を設置している。「長崎という地域の窓を通して、多文化が触れ合い、せめぎ合い、そして協働する国際社会と向き合う学部」とある。同じく2014年には山梨学院大学が「国際リベラルアーツ学部」をつくっている。専任教官の8割以上が外国人といううたい文句である。だが国際系学部は過当競争に陥りつつある。筆者には大学間の差別化が難しくなっているように思える。そこには学生募集に奔走している姿が映る。大学が新しい学部をつくりグローバル化の牽引役になろとしても、そうたやすく事が運ぶものではないはずである。

ipad_intersectionA5E9A5D5A5A1A5A8A5EDA4CEB4D6A1D6A5A2A5C6A5CDA4CEB3D8C6B2A1D7 システィーナ礼拝堂

留学を考える その3 リベラルアーツ教育と国際基督教大学

リベラルアーツ教育(Liberal Arts Education)を強調する大学が日本でも増えている。特に「国際リベラルアーツ」を掲げる学部の新設が相次いでいる。こうした学部のカリキュラムを「国際系リベラルアーツ」と呼ぶのだそうだ。我が国のリベラルアーツの雄は国際基督教大学( University: ICU)といえよう。だが大学の性質からみればInternational Christian Collegeと名付けるのが正しい。単科大学であるからだ。

ICUはベラルアーツ・カレッジとして「平和」、「学術基礎」、「専門知識」を統合しながら、バイリンガリズムによる世界基準の「全人教育」という理想を掲げて1949年に創立された。「国際的社会人としての教養をもって、神と人とに奉仕する有為の人材を養成し、恒久平和の確立に資することを目的とする」とある。アメリカの長老派教会によって支援され、財界からの寄付を受けて、リベラルアーツ・カレッジの形式を踏襲している。

ICUはもともと人文科学科、社会科学科、自然科学科の3学科から始まり、その後は教育学科・語学科・国際関係学科の設置で6学科となる。卒業要件単位の組み合わせについて自由度が高く、知識の統合と専門分野を超えた交流が学科間で行われることに特徴がある。これはアメリカ型のベラルアーツ教育を受け継いだものといえる。第二代学長の鵜飼信成はICUを名実ともにベラルアーツ・カレッジとして発展させた。

かつて筆者も北海道大学の教養部で1年半を過ごした。東京大学にも教養学部があった。リベラルアーツ教育が重視されていた。だが、教養部の勉強は高校の延長のような内容であった。目新しいことといえば、ドイツ語とフランス語のいづれかが必須であったことだ。ウィリアム・クラーク(William Clark)や内村鑑三の本を読めたのがよかった。今思えば、筆者も海外で学ぶ機会を得たのは、この教養部時代からなんらかの影響を受けたといえる。

Ukai_Nobushige  鵜飼信成icu 国際基督教大学

留学を考える その2 リベラルアーツの伝統

一体、なにを学びたいのかをおぼろげながらに考えることから大学選びが始まる。といっても専攻を決めることは若い人にとっては難しい。多くの読者は、周りの人からきいて大学を考え、将来の専攻を決めていくのではないか。専攻を考えるためには、幅広い基礎的な知識や教養が求められる。

ウィスコンシン大学(University of Wisconsin, Madison)とかUCLA(University of California, Los Angeles)とか、ミシガン大学(University of Michigan)、さらにはスタンフォード大学(Stanford University)などの名前を知っているだろう。こうした州立や私立の大学は超難関の研究中心の総合大学である。だが規模は小さくても将来役に立つことを学べる大学はいろいろとある。

「多様性」はアメリカの大学の特徴である。アメリカの大学はもともとは単科大学であるカレッジ(college)として創設された。例えば聖職者を養成し、町や村のリーダーを養成することを主たる目的として定めた。そのために教養を幅広く身につけ、決断力を養い、リーダーシップをとれる人間になる基礎教育をするようになった。これをリベラルアーツ教育(Liberal Arts Education)といい、ここにリベラルアーツ・カレッジ(liberal arts college)が誕生する。1636年に創立した牧師養成の機関がハーバード大学(Harvard University)がそうである。ハーバードはアメリカ最初のカレッジといわれる。やがて新しい専門分野を加えていきながら、大学院レベルの研究に力を入れている総合大学として発展して世界で最も入学が難しい。

アメリカには州立、私立を含めて4,000以上の大学がある。その中心は小さなカレッジであることを知っているだろうか。繰り返すがカレッジとは単科大学のことだ。いわば4年制のリベラルアーツの大学である。少人数のコミュニティのゆえ、手厚い指導のもとで幅広い知識を習得できる。アートや音楽の専門大学や、コンピュータ操作、歯科技工、機械、教師養成、軍の士官養成大学などもある。あえて大きな総合大学を選ばずこうしたカレッジで勉強し、総合大学の大学院へ進む者が多いのがアメリカのカレッジの特徴といえる。どうしても職業技術を身につけたい者には、コミュニティ・カレッジ(Community College)を選び最低限の教育や職業訓練を受けることができる。コミュニティ・カレッジは中小都市には必ずある。語学研修でここを選ぶのもよい考えである。

リベラルアーツ・カレッジなど多くのアメリカの大学は、多様性を重視している。できるだけバラエティの富んだ学生たちを入学させようという観点から入学審査を行う。たとえばエッセイでユニークなことを書いているとか、推薦状の内容が秀でているなど、テストや高校の成績からだけではうかがえない資質を見いだそうとする。総合大学は別として、カレッジではテストや高校の成績が少しくらい低くても、エッセイや推薦状などで自己アピールすれば入学のチャンスを得られる可能性がある。リベラルアーツ・カレッジで有名ところは極めて授業料が高い。そのため高所得者の子弟が多い。

madisonclg_logo_hrz_2c 1ef95d33fb25dbbc56e83717c430aac3 College of Holy Cross, MA

留学を考える その1 アメリカの大学への留学説明会

今回から「留学を考える」という話題で一緒に考えていくことにします。

先日、横浜市にある聖光学院高校でのアメリカの大学への留学説明会ーCollege Fairでボランティアして、母校ウィスコンシン大学のリベラルアーツ教育や大学院教育の内容を説明してきました。このCollege Fairは神奈川県内の私立高校が主催するものでした。聖光学院の大講堂がほぼ埋まるほど、生徒、保護者、そして進路担当の教師がやってきました。

私は、この説明会ではじめて聖光学院高校が有数の進学校であることを知りました。Fairの盛況、会場で案内を担当していた高校生の態度にそのことを感じました。思わず一緒に写真を撮りたくなって、側にいた教師にシャッターを押して貰いました。

定年退職者の私には時間があります。と同時に出会った若者や教師に語れるなにかしらの知恵もあります。「自分の息子が留学したいといっているが、高い学費や生活費をだせるかどうか心配している」という保護者がブースにきました。私は自分を含め三人の子供をウィスコンシン大学で学ばせたこと、それで退職金を使いスッカラカンになったこと、教育への投資のリターンは何十杯にもなったことを語り、悩める保護者の背中を少し強めに後押ししました。

Fairの後の親睦会で、進路指導を担当する三十代後半の教師から話しかけられました。「なんとか自分ももう一度大学に戻って研究者の道を考えたい」というのです。私は43歳で大学院を出たことも語りました。教師の方々で新たなキャリアを模索している人は沢山いるようです。少しでもお役に立てたいです。

IMG_1144  聖光学院高校

留学の奨め その20 マサチューセッツ州とスミス大学(Smith College) 最終回

マサチューセッツ州は、公立の小学校が全米で最初に設立されたところである。The Mather Schoolという学校で、創立は1639年となっている。 全寮制であるThe Governor’s Academyという高校は1763年に創立された。さらに全米で最も古い大学にご存知ハーヴァード(Harvard University)がある。1636年の創立である。アメリカの独立以前である。

アムハースト大学のそばの街、ノーザンプトン(Northampton)にスミス大学(Smith College)がある。全米屈指の名門私立女子大学という評判である。1960年代まで、アイビー・リーグの各大学はコーネル大学(Cornell University)を除いてすべて男子校であった。こうした男女別学の環境の中で七名門女子大学群(Seven Sisters)があって、スミス大学はその群に所属する大学の一校を構成している。

スミス大学の教授と学生の比率は1対9。全米で女子大学として最初の工学部を設置したことでも知られている。スミス大学の評価ランキングでは全米で19番目。年間の授業料と生活費が44,724ドルであるから460万円くらいとなる。

全米で最も古い女子大学としてマウントホリヨーク(Mount Holyoke College)がある。こちらの創立は1837年となっている。こうした大学の設立はヨーロッパから移民してきた人々が高等教育の必要性を知っていたからである。

なぜ1800年代に女子大学がいくつもマサチューセッツ州内に創られたのかである。その理由は、当時から男性社会にあって女性の自立のためには学問が武器となるという考えが根強かったといわれる。マサチューセッツ州の初代知事、ジョン・ハンコック(John Hancock)は女性の地位向上を支持したことでも知られている。

ジョン・ハンコックはフリーメイソン(Freemason)の会員であった。フリーメイソンとは「自由」、「平等」、「友愛」、「寛容」、「人道」の5つを基本理念とする友愛組織で、ゆるやかな政治的な結社であった。ハンコックは7月4日に独立宣言に署名した最初の人としても知られている。リベラルアーツは人間形成に欠かせない一般的な知識と知的な技能を備える学問である。カレッジはフリーメイソンの理念を教える場所でもある。

granary-burying-ground  Granary Burying Ground, Boston2004-smith-college-gatejpg-1b82459dc77a423f Smith College

留学の奨め その19 マサチューセッツ州とウィリアムズ大学(Williams College)

今回も、マサチューセッツ州(Commonwealth of Massachusetts)には有名な私立のリベラルアーツの大学がたくさんあることの続きである。マサチューセッツは教育に力をいれている州であることを伝えたい。このブログが縁で留学するのもいい。教育の質は100%保証する。

マサチューセッツ州の西部、ニューヨーク州近くにウィリアムズ大学(Williams College)がある。この大学は、マサチューセッツ州ウィリアムスタウン(Willamstown)に本部を置く私立大学で、創立は1793年。2014年のUS ニュース・アンド・ワールド・レポート”(US News and World Report)ではリベラルアーツの大学として第1位の評価を受けている。ちなみにヴァージニア州にあるCollege of William & Maryとは別の大学である。こちらの創立はもっと古く1693年となっている。

2012年にウィリアムズ大学に入学した人は志願者の16.7%であり、アイビー・リーグ(Ivy League)レベルの教育を少人数で提供しているといわれる。もともと男子だけの大学であったが、1970年に共学となった。多くの大学評価では入学の最も難しい大学のひとつとされている。学生数はたったの2,077名、授業料と生活費は年間 $48,310となっている。

マサチューセッツ州にはその他に、上智大学と提携する1843年に創立されたイエズス会のホーリークロス大学(College of Holy Cross )、1863創立のマサチューセッツ大学(University of Massachusettes)、ヒラリー・クリントンが卒業した1875年創立のウェルズリー大学(Wellesley College) 、1887年創立のクラーク大学(Clark University)、1888年創立のマウントホリヨーク大学(Mount Holyoke College), などどれも長い伝統を有している。しかも、私立大学としての特色を出している。マサチューセッツ州ほど有名な私立のリベラルアーツの大学があるのは他にはない。

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