心に残る名曲 その百九十四 日本の名曲  岡野貞一と「ふるさと」

鳥取市の鳥取城跡にある久松公園入り口に作曲家、岡野貞一と「ふるさと」の歌碑が建っています。 鳥取城は、元鳥取藩主池田家の居城がですが、現在天守閣などの城はなく、石垣や壕が残っています。近くには洋風建築で国の重要文化財となっている仁風閣があります。

岡野貞一は1878年に鳥取で生まれます。1895年東京音楽学校に入学し、その後1918年より文部省の尋常小学校唱歌の作曲委員となります。1932年まで東京音楽学校で教鞭をとり、数々の曲を作っていきます。東京のメソジスト教派、本郷中央教会のオルガニストや聖歌隊の指揮者として実に実に43年間、礼拝奏楽を担当します。

岡野貞一

この教会にカナダ製の最初のパイプオルガンが設置されたのが1890年。英国ウェールズから東洋英和学校の教師として赴任していたジョージ・ガントレット(George E. Gauntlett)が初代の聖歌隊長、オルガニストとなります。彼はオルガン技師でもありました。妻は山田耕筰の姉の山田恒子でした。その後、岡野貞一を本郷教会のオルガニストとして指名するのです。

岡野の作品も最も知られているのが「ふるさと」です。1914年に尋常小学唱歌の第六学年用として採用されます。作詞は高野辰之で、その後も高野と一緒に作ったのが「おぼろ月夜」、「春の小川」、「春が来た」、「紅葉」などです。「ふるさとを思い起こす歌」の人気投票では、岡野の「ふるさと」が常に第一位の地位を保っています。

 こころざしをはたして いつの日にか帰らん
  山はあおき故郷 水は清き故郷

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