心に残る名曲 その百七十八 ポール・サイモンと「Bridge over Troubled Water」

ポール・サイモン(Paul Simon)といえば「Bridge over Troubled Water」でしょうか。1953年にサイモンとアート・ガーファンクル(Art Garfunkel)はニューヨークのブロンクス区(Bronx)の小学校で出会い、やがて親友同士となり 「Tom & Jerry」という名でデュエットを組みます。二人の最初にヒットした曲が「Hey Schoolgirl」です。1965年にサイモンは「The Sound of Silence」を作曲します。この曲は、電子ギターとドラムで弾かれていたのですが、やがてラジオやビルボード誌で爆発的な人気を得ます。特に思春期の初々しい心情を込めた調べで、学生や若者の心をとらえます。

1970年、ゴスペル調で讃美歌のような曲「Bridge over Troubled Water」を発表し、これも大ヒットします。ガーファンクルのテノール歌手のような歌い振りが特に受けたようです。「スカボロ・フェア」(Scarborough Fair)や「ボクサー」(The Boxer)のようなシンプルでフォーク調の曲は、ボブ・ディランの影響を受けたようなところもあります。サイモンは1970年にガーファンクルと別れ、シンガーソングライターとしてアフリカや南米などの伝統音楽をモチーフとした曲を作っていきます。

ガーファンクルと親交のあったマイク・ニコルズ(Mike Nichols)という監督が「卒業」(The Graduate)で「The Sound of Silence」を主題歌として採用します。この映画でこの曲はさらに広まりました。「卒業」は、ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)主演で共演はキャサリン・ロス(Katharine Ross)の青春映画でした。ホフマン演じる大学生ベンジャミン・ブラドックが故郷へ帰ってくる空港のシーンで流れてくるのが「The Sound of Silence」です。映画の最後には、結婚式の礼拝堂から恋人だった花嫁と一緒に逃げる場面がありました。

「The Graduate」から Mrs Robinson

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