心に残る名曲 その百五十 ヘンデル メサイア (Messiah HWV 56)

メサイア(Messiah)は1741 年にヘンデル(George Frideric Handel)によって作られた英語によるオラトリオ(Oratorio)です。通常「Messiah (HWV 56)」と呼ばれています。「Messiah」とは救世主という意味です。この曲の基となったのは、英国国教会(Church of England)およびピューリタン(Puritan)の両者で翻訳されたキングジェームズ版聖書(King James Version)と旧訳聖書の詩篇を基にした合同祈祷書(Book of Common Prayers)からチャールズ・ジェネンズ(Charles Jennens)という作詞家が要約したテキストです。

1712年以来ロンドンで生活したヘンデルは、イタリア歌劇小作品によって作曲家としての名声を得ていきます。1730年代になり、時代の変化とともにイギリス・オラトリオの作品を作っていきます。メサイアは1742年にダブリン(Dublin)で初演されます。翌年、ロンドンでも演奏されます。評価は高くはなかったのですが徐々に認められて、やがて世界的に知られるようになり、最も著名な曲としての地位を得ることになります。

オラトリオは歌劇とは似てはいますが、劇的な筋書きとか登場人物の独唱やせりふはありません。ジェネンズは、メサイアの構成を福音書から引用します。第一部は預言者イザヤ(Isaiah)や羊飼いの告知などからなります。第二部はキリスト(Christ)の受難を語り、はりつけ、そして「神をほめたたえよ」というハレルヤ・コーラス(Hallelujah Chorus)に続きます。そして第三部は死からの蘇りと救世主のもたらした救いと永遠の命を讃える歌詞となっています。

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