文化を考える その12 それぞれの家族史 その4 ”Sage Ozawa”

長男の長男は今14歳。私の最初の孫である。今、ボストン交響楽団(Boston Symphony Orchestras)の下部組織、ボストン・ユース・オーケストラ(Boston Youth Symphony Orchestras-BYSO)に所属し、第一ヴァイオリンで弾いている。毎年、年長のオーケストラに入るためのオーディションがある。週末は、長男か嫁が自宅から1時間のところにあるボストン大学での練習に連れて行く。春や夏は集中合宿がある。長男も長らく個人レッスンを息子にしていたが、今は技能が追いつかないので別の人をレッスンに頼んでいる。費用も相当かかるようだ。この孫はボストン音楽院(The Boston Conservatory)への進学も考えているようだ。

ボストン交響楽団といえば、小澤征爾を知らぬ地元の人はいない。ボストン交響楽団の音楽監督を1973年からは2002年まで務めるというレジエンド(Legend)なのである。30年近くこのオーケストラを指揮してきたのは、小沢をおいて他にいない。彼の人気は今もボストンでは絶大である。

マサチューセッツ州西部バークシャー郡(Berkshire County)にタングルウッド(Tanglewood)という小さな街がある。長男宅から車で90分のところだ。そこでは毎年夏に世界的に有名な音楽祭、Tanglewood Music Festivalが開かれる。この音楽祭の中心はボストン交響楽団であり、小沢はその音楽監督にも就任した。その功績を記念して日系企業の寄付でSeiji Ozawa Hallというコンサート会場までつくられている。

ボストン交響楽団の指揮者では小沢を遡るが、1949年から1962まで指揮棒を振ったのがシャルル・ミュンシュ(Charles Munch)である。私が大学生のときであった。ミュンシュによってボストンやボストン交響楽団を知ったのである。忘れられない指揮者である。

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