アメリカの州鳥 その55 コロンビア特別区の鳥: モリツグミ

コロンビア特別区(Washington District of Columbia:DC)は、大西洋東海岸、メリーランド州(Maryland)とヴァージニア州(Virginia)に挟まれたポトマック河畔(Potomac River)に位置する合衆国の首都です。大国の首都としては面積は小さいのですが、国際的に強大な政治的影響力を保持する世界都市であり、また金融センターとしても知られています。172か国の大使館、世界銀行(World Bank)、国際通貨基金 (IMF)、米州機構 (OAS)、米州開発銀行(IDB)、汎アメリカ保健機関 (PAHO) などの本部も置かれています。労働組合、ロビイスト、職業組合など各種団体の本部もあります。

Smithsonian Institution

この都市は首都としての機能を果たすべく設計された計画都市です。アメリカ独立戦争を陸軍技師大尉として、司令官ジョージ・ワシントン(George Washington)に仕えたのが、ピエール・シャルル・ランファン(Pierre Charles L’Enfant)です。彼は、独立戦争での貢献が認められ、連邦都市建設計画のコンペに当選し基本計画案を作成します。この街は都市計画に基づく近代最初の首都となります。

Wood Thrush

コロンビア特別区は、連邦議会があらゆる権限を有していて、州には属さない合衆国・連邦政府の直轄地となっています。下院に本会議での投票権を持たない市代表(代議員)を選出していますが、上院議員の議席は与えられていない不平等さがあり、これが長年議論されています。特別区の東には多くの黒人が住み、人口の比率では全米一位となっています。他方、北西に位置するジョージタウン(Georgetown)は高級住宅地として知られています。

首都の中心にあるのがナショナルモール(National Mall)です。横長で芝生に覆われています。リンカーン記念堂(Lincoln Memorial)から連邦議会議事堂(Capitol)までの両側にホワイトハウス(White House)、スミソニアン学術協会(Smithsonian Institution)や連邦政府立など18の美術館や博物館が並びます。例えば自然史博物館(National Museum of Natural History)、航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)、国立美術館(National Gallery of Art)、ホロコスト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)などです。

コロンビア特別区の鳥はモリツグミ(Wood Thrush)です。頭と背は赤褐色、翼と尾は茶褐色、下腹は白色で黒色の大きな斑点があります。嘴は暗褐色で、足は桃色が特徴です。アメリカ東部で繁殖し、アメリカ南部やメキシコ、パナマで越冬します。合衆国の鳥としては地味な色の種類です。しかし、さえずり声は、まるでフルートのような響きを持っています。北アメリカで最も美しく鳴く鳥の一つといわれます。