アジアの小国の旅 その七十八  エリトリア

エリトリア(State of Eritrea)という国名を聞いたことがありますか?エトルリア(Etruria)はイタリア半島中部にあった古代都市、アナトリア(Anatolia)は、トルコのアジア部分の地域です。名称が似ていますが、全く違った地名です。エリトリアはアフリカの角と呼ばれるアフリカ大陸北東部にあり、西にスーダン(Sudan)、南にエチオピア(Ethiopia)、南東部にジブチ(Djibouti)と国境を接し、東は紅海(Red Sea)に面する国です。地図を見ますと、エリトリアは紅海に沿って約1350km続く海岸線を持ちます。領海域にはおよそ350の島々があります。

1869年にエジプトでヨーロッパとオリエントを結ぶスエズ運河(Suez Canal)が開通すると、イタリアがエチオピアに介入し始め、1882年に植民地宣言をします。エチオピアはエリトリア地域をイタリアの支配に委ねます。エリトリアは30年もの長きにわたる対エチオピア独立闘争の末に1993年に独立します。アフリカで2番目に新しい国といわれます。

国全体は熱帯乾燥気候に属します。小国にも関わらず多様性に富む地形により様々な気候が混在し、沿岸部の砂漠地帯には、年平均気温が30℃を超える世界一酷暑の地といわるダナキル(Danakil )低地があります。アフリカ大地溝帯にあるために、マグマが吹きだす活火山でも知られています。首都のアスマラ(Asmara)はイタリアの占領時代に発展した街で、近代建築(Art Déco)のならぶ街並みが2017年に世界遺産と認められます。Art Décoとは一つの装飾様式で線や記号、幾何学的な模様やパターンで構成されたデザインが特徴といわれます。