アジアの小国の旅 その七十七 スーダン

世界中に、食糧が不足して子どもに食べさせることができない国があります。スーダン(Republic of the Sudan)もその一つといえそうです。今年はバッタの巨大発生で畑を食い散らしていることが報道されています。スーダンは、北東アフリカに位置し、アフリカ大陸で3位の面積を有しています。エジプト(Egypt)、リビア(Lybia)、チャド(Chad)、中央アフリカ、南スーダン、エチオピア(Ethiopia)、エリトリア(Eritrea)と国境を接し、東は紅海(Red Sea)に面しています。対岸にはサウジアラビア(Saudi Arabia)があります。紅海の先にはスエズ運河(Suez Canal)があります。

エジプト南部アスワン(Aswan)あたりからスーダンにかけてのナイル川(the Nile)流域北部はヌビア(Nubia)と呼ばれ、北に栄えた古代エジプトの影響を強く受けたところです。古代エジプトの諸王朝は、勢力が強まるとナイル川沿いに南下して金や象牙の交易拠点を作り支配領域を広げ、国力が衰退すると撤退することを繰り返したといわれます。

スーダンは1899年から再びエジプトとイギリスの両国による共同統治下に置かれます。1956 年にイギリス・エジプトから独立する際、北部と分離独立を求める南部の間で内戦が勃発し、2011年7月に、スーダン共和国の南部10州が、アフリカ大陸54番目の国家として分離独立します。約半世紀にわたる長い紛争が続きました。このため、南スーダンでは子どもだけでなく大人も、平和な状態をほとんど知らないといわれます。

2018年9月にムウタズ・ムーサ(Motazz Moussa)首相となりますが、2019年4月に軍部によりクーデターが起こり、憲法を停止し暫定軍事政権が実権を握ります。同年8月よりアブダッラー・ハムドゥーク(Abdalla Hamdok)が首相となり組閣をし、軍と民主化勢力による3年の暫定共同統治を行っており、2022年の選挙実施を目指しています。