アメリカ合衆国とニックネームの由来 その18 The Bluegrass State

ケンタッキー州(Commonwealth of Kentucky)の州都はフランクフォート(Frankfort)。最大の都市はルイビル(Louisville)となっています。「Kentucky」の意味ですが、イロコイ族(Iroquois)のイロコイ語で「平原」、チェロキー族(Cherokee)で「荒れ地」、「明日の土地」、「どす黒い血の地」と呼ばれていたといわれます。

ケンタッキーはアパラチア(Appalachia)炭田地帯に位置し、ウエスト・ヴァージニア州(West Virginia)とともに全米有数の石炭の産地です。他にタバコの生産は全米第二位ともなっています。

この州は「ブルーグラスの州」(The Bluegrass State)というニックネームがついています。ブルーグラス(bluegrass)はイネ科の多年草で芝生や牧草として使われています。踏みつけられて冬場にも強いのが特徴です。地下茎を伸ばして繁茂し庭やゴルフ場の芝生の他に土砂の流失防止のために斜面や荒地にも植えられています。

ケンタッキーは牧草地を利用したサラブレッド競走馬の飼育で知られ、五月第一土曜日はケンタッキーダービー(Kentucky Derby)がルイビルで開かれます。アメリカンクラシック(American Classics)三冠の第1冠として知られています。

親しみやすい農園歌、郷愁歌を多数作曲したスティーブン・フォスター(Stephen Foster)の作品に「ケンタッキーの我が家」(My Old Kentucky Home)があります。作品には黒人霊歌(Black spirituals)の影響を感じます。この曲はケンタッキー州議会により公式州歌として採用されています。

The sun shines bright in the old Kentucky home,
 Tis summer, the people are gay;
  The corn-top’s ripe and the meadow’s in the bloom
   While the birds make music all the day.